温泉MaaSとは

温泉MaaSとは、特に温泉地を含む観光地において、ワーケーションとモビリティサービスを組み合わせて地域活性化を目指す試みです。

観光地に出かけて仕事をするワーケーションでは、どのような課題があるでしょうか。千曲市ワーケーション体験会を開催してきたなかで、実際にあった課題をあげてみましょう。

利用者観点の課題：

• ワーケーションに来られる参加者は、多様な手段で来られる（自家用車、鉄道、バス）
  
• ワーケーションできる場所に自由に移動して仕事してほしいが、利用できる交通手段が限られている（コミュニティバス、地元タクシー、レンタル自転車）
• ワーケーションできる場所に道路・駐車場環境が十分ではないため、大人数の参加者の個々の自家用車による移動は極力避けたい
• 限られた交通手段は、地域外からの来訪者には利用するハードルが高い
• コミュニティバスは生活向けであり観光地に行くには不向き
• 地元タクシーは電話による配車依頼しか対応していない
• レンタル自転車は、旅館の貸出自転車しかない

事務局観点の課題：

• 事務局側で移動をサポートするためには、ある程度の行程を決める必要があり、場所を自由に選んで仕事をしてもらいたいという思いと相反する。
  
• 事務局側の移動サポートの負担が大きい（スタッフの運転による送迎になる）
  

ワーケーションにおいて観光地においてABW（Active Based Working：アクティブベースドワーキング）を実施してもらうためには、自由な移動を提供することが必要となります。

ワーケーション参加者が、移動したい時に、行きたい（仕事に合った）場所に行けるように、交通手段を統合的に提供する移動サービス「温泉MaaS」を構築することで、課題解決を目指します。

移動手段：

• タクシー配車依頼・支払いサービス
  
• レンタル自転車の予約・鍵管理・支払いサービス
  
• レンタルバイクの予約・鍵管理・支払いサービス
  
• レンタルキックスケートの予約・鍵管理・支払いサービス
  
• 無料送迎の予約・チケットサービス
  
• オンデマンドバスの乗車予約・チケット・支払いサービス
  
• ルート観光バスの予約・チケット・支払いサービス
  

仕事をする場所：

• ワーケーショントレイン
  
• ワークスペースの予約サービス
  
• 食事デリバリーの予約サービス
  

上記に示した温泉MaaSのアイデアは一例であり、地域の課題やニーズにあったサービスを考える必要があります。そういった検討を行う上では、関係者を集めてワークショップ形式で認識をあわせながらディスカッションすることが望ましいです。

千曲市では、2020年11月に、自治体関係者、観光局、商工会、地元交通事業者、地元商業事業者、居住者、ワーケーション参加者が30名ほど集まって、温泉MaaSを考えるワークショップ「温泉MaaSアイデアソン」を開催しました。

このときの成果は、こちらで一般公開しています。

千曲市ワーケーション体験会 温泉MaaSアイデアソン

また同じようなアイデアソンを行えるように、進行資料をテンプレートとして公開しています。

温泉MaaSアイデアソンテンプレート