温泉MaaSによる路線バスの活用

2021年11月14日〜20日に千曲市ワーケーションウェルカムデイズ(以下、千曲市WWDと記す)が開催されました。温泉MaaSでは、タクシー配車予約、レンタサイクル予約、ワークスペース案内などが細かく機能改良されて提供されました。また、新たな取り組みとして、千曲市の路線バスの活用促進をしてみましたので、この記事ではその経緯を紹介したいと思います。

きっかけ

2021年10月に、千曲市役所で「ちくままちづくり文化祭」というイベントが開催された際に、路線バスを使って上山田温泉街から市役所まで移動してみたのですが、運行数は少ないながら使ってみると便利じゃないかと気づいたのでした。しかし、千曲市のサイトで公開されている路線バスの路線図と時刻表は、地域に住んでいる方向けなので、観光客やワーケーションで訪れる方にはちょっと分かりづらいという印象でした。すこし工夫したら分かりやすくなりそうだと思ったのが、今回の取り組みのきっかけでした。

現状の路線図・時刻表

千曲市のサイトで公開されているもの(一部)を以下に引用します。

なにが分かりづらいのか

公開されている路線バスの路線図・時刻表ぱっとみた時に感じたことを列挙すると以下のようなものです。

    • 路線ごとに時刻表が分かれている
    • 路線図は、すべてのバス停留所を網羅している
    • 朝晩は例外的な路線や運行形態となっている

特にバス停留所名が地区名などで付けられており、観光客やワーケーションの訪問者など土地勘のない人には実際の場所と紐づけることが難しく、目的地に一番近いバス停留所を探すのも一苦労です。

目的別のバス路線MAP・時刻表

分かりやすくするにはどうすべきか。今回はワーケーション参加者に路線バスを使ってもらうことを目的とするので、その観点で分かりやすくする観点を以下のように考えてみました。

    • ワーケーションのワークスペース近くのバス停留所に絞る
    • 複数路線が通るバス停留所もあるため、複数路線を合わせた時刻表とする
    • 特に朝晩のイレギュラーな運行形態のバスは思い切って掲載しない
    • バス停留所のバス乗り場簡易MAPも作る

このようにして作ってみたのが、こちらのワーケーション参加者向け路線バスMAPです。こちらからPDFファイルをダウンロードできます。作ってみると、区間によっては意外と運行本数があることが分かります。

ちなみに複数路線を合わせた時刻表は、路線バス時刻表では、路線(系統)ごとの時刻表となっていることが多く、複数路線を合わせた時刻表をあまり見たことがありません。一方で、鉄道時刻表は複数路線が乗り入れてくる列車は1つにまとめて表記されていることが一般的です。今回の路線図・時刻表は、もともと鉄道業界にいた筆者の発想で作ったものとなっています。

ワーケーション連動施策

冒頭に記した通り、この路線バスの活用促進の取り組みは千曲市WWDに合わせて行いました。そのため以下の施策を併せて行いました。

    • 温泉MaaSアプリからワーケーション参加者向け路線バスMAPを見られるようにする(下図)
    • 路線バス1日乗車券を千曲市総合観光会館で買えるようにする(千曲市役所、信州千曲観光局のご協力によるもの)
    • 路線バス1日乗車券を温泉MaaSチケットで買えるようにする(千曲市総合観光会館のみ)
    • 千曲市WWD内のワークショップにて路線バスMAPの紹介を行い利用促進を行う
    • 千曲市WWD内のイベントの開始時刻・終了時刻を路線バスの時刻を意識して設定し、路線バスでも来られるように配慮する

利用実績

今回の千曲市WWDにおけるワーケーション参加者の路線バス利用状況については後日報告します。


温泉MaaS Developers

日本の観光地の代名詞とも言える温泉街を、ワーケーションとモビリティサービスを組み合わせて活性化する街づくりプランナー、コーディネーター、デベロッパーのためのサイトです。

0コメント

  • 1000 / 1000